仏様の指
仏様がある時,道端に立っていると、
一人の男が荷物をいっぱい積んだ車を引いて通りかかった。
そこはたいへんなぬかるみであった。
車は,そのぬかるみにはまってしまって、
男は懸命に引くけれども,車は動こうともしない。
男は汗びっしょりになって苦しんでいる。
いつまでたっても、どうしても車は抜けない。
その時、仏様は、しばらく男のようすを見ていましたが,
ちょっと指でその車におふれになった。
その瞬間、車はすっとぬかるみから抜けて,
からからと男は引いていってしまった。
この仏様の行動は些細なことかもしれませんが、
指導者の立派な役割の一つです。
この仏様が男に与えたものは「生きる力」だ
という教育評論家もいます。