スポーツマンシップとは(後編)
昨日のスポーツマンシップとは(前編)の続きです。
少し歴史を学んでみたいと思います。スポーツマンシップは「運動家精神」と訳され、礼儀正しい振る舞い、正々堂々と戦うこと、公正であること、協力することなどを意味していました。つまり、試合「外」での行動を意味するものでした。
昨日の例だと、松井を5連続敬遠した明徳義塾高校が礼儀正しい振る舞いをしていたら、「スポーツマンシップに則っている」となります。私は、試合やプレーの「中」に質の向上を目指すものがスポーツマンシップだと思います。
昨日の例を選手宣誓で皮肉をこめていうなら、「我々選手一同は、勝利至上主義に則り、どんなセコい手段を使っても勝つことを誓います。」となるでしょう。
スポーツマンシップとは、その競技のルールのもとで選手が最善をつくして相手よりも優れていることを示すものだと思います。
松井の5連続敬遠も上原の敬遠指示も最善をつくして優れているパフォーマンスを追求していないことになります。勝利至上主義であったり、個人タイトルを優先することはスポーツの本質を否定することになります。
卓球界でも監督がサインを出すとかギャラリーからスマホでアドバイスをするという不正があると聞きます。私は不正までして勝ちたいとは思いません。スポーツマンシップに反しているからです。
残念ながら日本社会全体(政治やビジネスの世界)に勝利至上主義の考え方がはびこっています。せめてスポーツ界だけでも正々堂々と勝負する価値観が広がってほしいと思います。ちなみに上原投手は引退後も「あの時は勝負したかった」と述べています。
スポーツの質を向上させるよいプレーは何か?を考えていくとスポーツマンシップに則った行動になると思います。